ブランドごとに成長の目標や取るべき戦略も異なるのが当たり前です。
アマライズではこれまで多数のクライアントの広告を運用管理を行ってきました。その豊富な経験を活かし、成功したブランドがAmazonの広告入札価格や予算を決定するために取っているステップを徹底的に解明いたしました。
この記事では、Amazonにおけるスポンサー広告の重要性、予算の決定方法、ROASの検討、広告タイプの比率、最新の広告パフォーマンスの向上方法、および広告費の管理方法に関してみなさんの役に立つであろうことについて掻い摘んで解説しています。
どうしてamazonスポンサー広告が重要なのか?
Amazon スポンサー広告(クリック課金型)は、Amazonマーケットプレイスにおいて、競合他社との売り上げに差をつけるのに役立ちます。
“Amazon広告を制するものはAmazon物販を制する”と言っても過言ではないほどに重要です。
広告を利用して、適切なタイミングでユーザーの目に商品を届けることで、競合他社からクリックと売上を獲得することができます。
基本的なことになりますが、まずは
Amazonの検索結果画面における広告表示枠と自然検索枠の関係を認識することが重要です。
広告表示枠
Amazon検索結果にスポンサー広告によって表示される商品枠のことです。
こちらが実際にAmazonで腕時計と検索した結果の広告表示部分です。
上部がスポンサーブランド広告(画像ピンク枠)です。
その下の一見自然検索枠にも見える商品はスポンサープロダクト広告(オレンジ枠)。
よくみると「スポンサー」の表示がありますね。
どちらも広告枠で表示されるだけでは、料金は発生しません。ユーザーが広告をクリックした場合にのみ支払いが発生します。
自然検索枠
先程の画像の青枠で表示されている商品です。
商品検索欄に入力されたキーワードに基づき最も関連性の高い検索結果です。
売上や評価の高い商品がこの自然検索枠の上位に表示される仕組みになっています。
もちろん商品リストをクリックされても料金は発生しません。
スポンサー広告の重要性について
Amazonスポンサー広告は、自分の商品に関連する検索キーワードに入札し、検索結果の広告表示枠に商品を表示させ、
買い物客にスポンサー広告を通じて製品を購入させることができます。
効果的なスポンサー広告は、コンバージョンを増加させます。
コンバージョンの増加は、カスタマーレビューを増加させます。
コンバージョンとレビューが増加することでより良い通常表示枠に表示されます。
より良い通常表示枠は、さらなるコンバージョンを産み、以下同様の正のサイクルが生まれます。
何千ものカスタマーレビューと最適なベストセラーランク(BSR)を持っている有名ブランドでも、Amazonで積極的に広告を出し続けています。なぜなら、市場の競争力により、市場シェアを低下させようとする新規ブランドが常に存在するからです。
つまり
Amazon スポンサー広告は、売上を伸ばし正のサイクルを生み、マーケットのシェアを守るために非常に重要な役割を持っているということです。
Amazon広告の評価指標となるACoS
Amazon 広告のパフォーマンスは、ACoS(Advertising Cost of Sales)と呼ばれる指標で測定され、パーセンテージで表示されます。広告キャンペーンで25%のACoSの場合、それは広告による売上10000円に対して2500円を広告に費やしていることを意味します。
Amazon広告にいくら費やすべきか?
それではAmazonの広告には一体どれくらい費用をかけるべきなのでしょうか?
目標に最適な予算を決定するために、以下の質問について考えてみてください。
以下の質問について考える過程で自ずとどれくらいの費用が必要なのか見えてくると思います。
Amazonで販売されているどの商品に広告を出したいか?
もちろん扱っている商品や商品数にもよりますが、多くのブランドは80:20のアプローチをとり、商品の中から売上の上位20%のみに焦点を当てています。
SKU単位で見たカタログ全体の利益率は?
これはとても難しい作業で、社内のさまざまな部署からのインプットが必要になります。しかし、すべての商品にどれだけの広告費帯域があるかを正確に示すことができるため、非常に価値のある作業です。
SKUレベルで広告による売上はどの程度か?
自然検索の売上が大きい商品とそうでない商品を比較することで、広告によるコンバージョンの後押しがどの程度必要になるか判断できると思います。
各商品で利益がなくなる分岐点はどこか?
ACoSが利益率より低い場合、過剰な支出はしていないので、損益の分岐点に達するまで、できる限り広告規模を拡大することを検討すべきです。
広告運用担当からのアドバイス:新しい広告キャンペーンや新しい広告プラットフォームの効果を検証するために、
毎月の広告予算の10%程度を運用していくことをオススメします。
シェア・オブ・ボイス(SOV)分析とは?
広告の予算を決定するための方法としてもうひとつ、SOV分析を紹介します。
SOV分析(Share of Shelf分析)は、特定の検索キーワードで1ページ目に表示される製品を持つブランドを調査分析することです。具体的には、どのブランドが1ページ目の広告枠および自然検索枠の両方のポジションを占めているかを調べます。
販売促進したい主要なキーワードを決定し、そのキーワードで市場シェアのパイをより多く獲得したい場合、定期的にSOV分析を実行して、直接の競合に対して自社製品がどのように機能しているかを確認する必要があります。その結果を受けて、広告費をより増加させるか、減少させるかを選択することができます。
ブランド認知について -近年Amazon広告の流行り-
ここ数年、AmazonのDSP(Demand-Side Platform)を利用して、マーケティングファネルにおける上位に位置する潜在顧客をターゲットにして認知や検討フェイズに力を入れているブランドが増えています。この戦略では、直接的なROI(広告費に対する利益)よりも、ブランドの認知度や検討度を高め、将来的な顧客をコンバージョンさせることを目的としています。
Amazonのスポンサーブランド広告では、購入の準備ができている顧客を対象としていますが、
スポンサーブランドは、ブランド認知向上とした広告です。スポンサーブランドでは、商品ロゴ、見出し、そして複数の商品が表示されます。
上図 PC上での従来のスポンサードブランド広告の例。出典:
Amazon ads
スポンサーブランド広告は
PPC広告と検索結果上部にて機能しますが、他の広告タイプに比べ、より投機的であると考えられています。(コンバージョンよりもブランド認知を高めるため)
しかし、長期的に見ると、特に新規ブランドにとっては、ブランド名やロゴ、商品名を潜在ユーザーの頭の中に留めておくことができるため、非常に有効な手段です。
新規ブランドでは今すぐにでもブランディング予算の何パーセントをAmazonのマーケティングファネルの上位に振り分けるかを議論すべきです。すぐに効果は実感しづらいですが、時間の経過とともに、その価値が見えてくるようになるはずです。
Amazon広告のACoSはどの程度が最適か?
前述したように、ACoSは商品ごとの利益率に直結するので、何をもって「許容範囲」とするかは商品によって異なります。しかし、
あらゆる広告キャンペーンでACoS平均25%という数字は、かなり高度に最適化された広告キャンペーンの基準として広く受け入れられています。
しかし、現代のオムニチャネル・マーケティングの時代には、ROIの数字だけでパフォーマンスを判断すべきではありません。
消費者は、Amazonで広告をみてすぐに購入すると言うように直線的ではなく、Amazonで広告に接触した後に店頭でその商品を購入する可能性も考えられます。
そのため、
ターゲットとするユーザー層のライフサイクルを深く理解する必要があります。広範囲に渡って入念なリサーチを行い、扱っている商品カテゴリーのインサイトを持つパートナーと協力することで、Amazon広告がどのように位置づけられるかをより良く理解し、Amazonで目指すべき平均ACoSをより明確にすることができます。
それぞれの広告タイプにどれだけの予算をかけるべきか
ここでは、Amazonで販売する成功したブランドで見られる一般的な広告タイプの内訳を紹介します。これが必ずしも誰にでも当てはまる正解とは限りません。あくまで参考程度にしてください。
Amazon広告
スポンサープロダクト75%
スポンサーブランド 20%
スポンサードディスプレイ 5%
Amazon広告の予算をどのように最適化するべきか?
広告キャンペーンマネージャによるレポートを分析することで長期的にPPC戦略を最適化するのに非常に役立ちます。
【Amazon広告】Amzon広告における5つのよくある勘違い
予算を最適化するための重要なヒントをいくつかご紹介します。
キャンペーンが1日の予算を早期に達成しているかどうか、広告キャンペーンマネージャーのダッシュボードにある「ほぼ予算切れ または完全に予算切れ」の項目からソートできます。
1日のどの段階で予算が尽きてしまっているのかチェックしてうまく調整してください。
また、広告レポートとビジネスレポートを組み合わせて、
広告が総売上高に与える影響を確認する必要があります(多くのブランドでは、広告からの販売割合は25%程度になるはずです)。
広告レポートは、商品ごとにインプレッション、クリック、消費、売上、ACoSを要約して得るのに役立ち、これをビジネスレポートと比較することでASINごとの詳細なパフォーマンスデータが得られます。
広告最適化するためのタスクには、
実際にコンバージョンの発生した検索キーワードを新たなキーワードとしての追加、成績の悪いキーワードをネガティブキーワードへ設定、入札額の調整などがあります。
さらに
商品の季節的な販売傾向を考慮しなければいけません。年間を通じて売れる商品の場合、第4四半期は年間広告予算の40~50%を占めることがあります。
季節性の高い製品については、トラフィックが最も多い月に広告費を集中させる必要があります。閑散期にも広告を完全にオフにしてはいけません。より良いベストセラーランクを維持するために広告を使ってある程度の販売数を維持してください。
またさきほども述べたように、
広告予算全体の約10%を、新しいキャンペーンやターゲティングオプションに割り当てるようにしてください。
amazon広告における支出を最適化するためのヒント
まずAmazonで
利用可能なすべてのターゲティングオプションを使用しているかどうかを確認します(ASINターゲティング、スポンサープロダクトとスポンサーブランドの両方のキャンペーンにおけるカテゴリターゲティング)。競合が少ないターゲティングオプションは、一般的に、競合が多く飽和状態のターゲティングオプションと比較して、より良いACoSが出やすいです。
つまり競合が少ない広告タイプは、コスパ良く広告を出せるのです。今後はスポンサーブランド広告などクリエイティブが必要な広告が主流になってくるでしょう。
また、
新商品の販売を促進するためには、新商品を貴社の既存の商品に対して重ねて広告を出します。これにより、ブランドそのものを気に入ってくれているユーザーが新商品を購入してくれる傾向が見られるので、認知がすすんだブランドではとても有効な一手となります。
さらに、
ROI目標を設定し、キーワード入札をオートターゲッティングに設定します。オートターゲッティングでは、ほとんど関連性のない商品に対しても広告費が発生することがあるので、よくチェックして適宜ネガティブキーワードに追加することに気をつけてください。
Amazonの競争の激しいダイナミックな環境では、オートターゲッティングによる広告は必須です。
Amazon広告における入札価格と予算の最適化方法まとめ
初めに述べたように万人に通用する画一的な最適化方法はありません。
ご自身の商品や戦略、目標に合わせて最適化する必要があります。時には挑戦的な手段も必要となってくるでしょう。
大事なのは辛抱強くしっかりとデータを取ることです。多少数字が悪くなってしまったからといって、逐一予算や入札価格を変更してしまうと正しいデータが取れず、最適化への道のりが遠のいてしまいます。レポート機能を活用してあなたにとって最適な広告費を見つけてください。
広告の運用で思うような結果が出ない、ACoSをもう少し下げたい、キーワードが見つからないなど広告運用におけるお悩みのある方は、ぜひ一度Amazonの広告運用に特化したアマライズの無料相談からお問い合わせください。Amazon広告のスペシャリスト達がお答えいたします。
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