Amazon 比較テスト機能(ABテスト)の使い方、メリットについて解説します

AmazonOEMコラム

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Amazonで商品を販売していく中で、商品画像や商品紹介のコンテンツにいくつか候補あったとき、 どちらがより効果的なのか迷ってしまって、なかなか決められなかったなんてことはありませんか? これまでのAmazonの仕様では、同一商品を同時にリスティングして効果検証することができませんでした

コンテンツの掲載期間をずらすことで検証を行ってはいましたが、時期的な環境要因や市場の変化に左右され、どうしても正確な検証を行うことができませんでした しかし、2022年になって「比較テスト(ABテスト)」がセラーセントラルに搭載されたことにより、2パターンのコンテンツを同期間で比較検証することができるようになりました。

これによってCVRなど、これまでよりも詳細なデータを正確に比較することができます。 こちらの機能を用いて、より効果の高いコンテンツを見極め、貴社の商品の魅力を今まで以上に伝えていくことができれば、消費者の方にも大きなメリットがあります。 そこで今回の記事ではAmazon出品でABテストが実施できるABテスト機能についてメリットやその使い方について解説いたします。

Amazon “比較テスト”とは何か

比較テストとは、2パターンの商品ページを比較し、どちらがより効果的であるかを検証することができるABテスト機能です。 設定したパターンAとパターンBは、それぞれのユーザーに対してランダムに割り当てられ表示されます。

比較テスト中は同一ユーザーには割り当てられた同一パターンのコンテンツが永続的に表示される仕様となっていますが、AmazonアカウントにログインせずにAmazonを訪れた場合は、ABテストの割り当てが適用外になります。 「利用資格」、「利用可能なコンテンツ」、「実施可能期間」については以下の通りです。

■利用可能なコンテンツ

  • ・商品画像(メイン画像)
  • ・商品名
  • ・商品紹介コンテンツ(Aプラス)

現時点では上記の三項目のみ利用可能となっています。 画像の比較や商品紹介コンテンツの比較をそれぞれ実施することでどのコンテンツがCVRの改善につながっているのか判断することができます。

■利用資格

  • ・Amazonブランド登録に登録済みのブランド所有者であること
  • ・対象のASINが十分なトラフィックを獲得していること

比較テストが実施された後、十分に確信が持てる結果が出るように、ある程度トラフィックが多い商品に対してのみ比較テストを実施することができます。 トラフィックが少なく比較テストの対象とならない場合は、広告や商品ページの改善を行い、まずはトラフィックを獲得出来るよう検討するところから始める必要があります。

■テスト実施期間

  • ・4週間
  • ・6週間
  • ・8週間
  • ・10週間

テストの実施期間中も結果を見ることができますが、短期間のテストの結果には統計上の偏りが生じてしまい、結果が正しく出ない場合があります。中間的な結果に基づいて判断を下してしまうことはあまり推奨できません。

Amazon”比較テスト”のメリット

比較テストを行うメリットは、 「 正確な検証結果 」と「 検証期間の短縮  」です。 例えば、母の日や父の日ギフトなど季節性の高い商材を取り扱う出品者の場合、基本的にそのシーズンでのみ売上が期待できます。 そこで、その母の日ギフト用のコンテンツを2パターン比較しようとした場合、従来のAmazonの仕様だと同シーズン内に実施検証することができず、次は翌年の検証となってしまい、余分な時間を費やしすどころか市場が移り変わり、意義のあるデータが取れません

また、同シーズン内でコンテンツを入れ替えながらその効果を検証する方法もありますが、何度もコンテンツを入れ替えるのには結構な手間がかかるうえに、曜日や期日ごとに取得できるデータの傾向が変わってしまい、さらには取得できるデータの母数が減少してしまうというデメリットもあります。

上記のような季節性商品の場合、同時期に正確なデータを効率よく検証することがいかに重要になってくるかおわかりいただけたと思います。 今回実装された比較テストにより同シーズン内で正確かつ効率のよい検証が可能になりました。 市場の変遷が激しいECの世界では、効率良く仮説検証を行い、フレキシブルに改善に繋げていくことが大事になってきますので、今回のこの”比較テスト機能”は日々の運用でお忙しいセラーの皆さまにこそ、ぜひとも導入していただきたいです。

また、1つの商品に対して行った比較テストの結果から得られたデータをもとに、出品している商品全体のコンテンツの改善にも活かすことができますので、まずは1ASINからでもいいので実施してみることを推奨します。

Amazon「比較テスト」作成方法

これまでで、比較テストの概要・メリットについて解説してまいりました。 次に比較テストの作り方について解説していきます。

Step1. セラーセントラルから、比較したいコンテンツを選択

セラーセントラル>ブランド>実験の管理 セラーセントラルにログインして上部のブランドタブから「実験の管理」を選択します。  ※ブランドタブが表示されない場合は、編集用のユーザー権限が付与されていない可能性が高いです。 セラーセントラル>設定>ユーザー権限から「比較テストの管理」権限が付与されているか確認してください。

新規の比較テストの作成>テストしたいコンテンツの選択 新規の比較テストの作成から「商品紹介(Aプラス)コンテンツ」「商品名」「メイン画像」の中からテストするコンテンツを選択してください。

Step2. ASINを選択

比較テストの対象とするASINを選択してください。 ※十分なトラフィックのないASINはグレースケールされて選択することができません。

 Step3. A/Bテスト情報を入力

 

  • ■ABテスト名 わかりやすいものであれば何でも構いません。
  • ■期間 「4週」「6週」「8週」「10週」から選択してください。
  • ■開始日 比較テストを開始を希望する日を選択してください。 ※開始まである程度の時間が必要になってきます。最短で10日程度。
  • ■終了日 終了日は選択した開始日と期間により自動で選択されます。
  • ■仮説(任意) 予測できる効果を入力してください。 仮説であるので望んだ結果が出るとは限りません、何のために比較テストを行うのか戦略的に仮説を立てて検証することが大事になってきます。

例) ・商品紹介コンテンツに比較モジュールを組み込んで売上が増加。 ・テキストによる説明を減らし画像を増やすことによるコンバージョン率の向上。 ・メイン画像の明度、彩度の変更によるクリック率、売上の増加。

Step4. テストを行うコンテンツを選択。

テスト情報の入力が完了したら、比較テストの対象となるASINのコンテンツを作成・選択します。

Step5. テストの送信、完了

コンテンツの選択後、入力漏れがないか確認し、「比較テストのスケジュール設定」>「A/Bテストの送信」をクリックします。 ※商品紹介コンテンツの場合は「比較テストのスケジュール設定」のボタンはないので、そのまま「A/Bテストの送信」をクリックしてください。 これにて比較テストの作成が完了です。 作成したコンテンツが承認されると希望開始日より比較テストが実行されます。

Amazon「比較テスト」の注意点

うまく利用できればとても優位性の高い比較テスト機能ですが、運用する上でいくつか注意点があります。

比較テストの注意点1. テストは最後まで行う

比較テストの結果は、設定した期間が満了する前に途中経過をみることができます。 結果が週に1回更新されますが、テスト初期で好ましい結果が出たからといってテストを中断してしまうのはおすすめしません。

短期間での検証は統計上の偏りである可能性が高く、例外的な結果に基づいて間違った決定を下してしまう可能性が高くなってしまいます。 正確な検証結果を得るためにはAmazonが設けている最短の「4週間」は継続してテストを実施してください。

比較テストの注意点2. 1ASINにつき実施できるテストは1種のみ

1つのASINに対して、同時に実施できるテストは1種のみです。 つまり、商品名のテストを実行しながら、商品紹介コンテンツのテストも同時に実行することはできませんのでご注意ください。 テストが終了すれば同じASIINに対して再度テストすることは可能です。

比較テストの注意点3. コンテンツの差異は明確に

比較テストを実施することによりAmazonユーザーの傾向を掴むこともできますが、比較コンテンツの差異が少ないと結果に大きな変化が生じにくいです。

つまり、作成した比較コンテンツにあまり変化がないと、購入者の行動に影響する可能性が低く、どちらとも言えない結果に終わってしまう可能性があるということです。 効果的な検証をするためには、大きく異なるパターンのコンテンツでテストを実施することが重要になってきます。

比較テストの注意点4. ガイドライン遵守

比較テスト作成後は、通常の商品ページ作成と同様に各コンテンツに対してAmazonによる審査が発生します。その際、ガイドラインに沿っていないコンテンツは却下され、テストを実施することができません。

以下に各コンテンツのガイドラインとなります。

■商品画像 画像は購入者にとってきわめて重要なものであるため、質の高い白抜き画像を用意することが重要です。鮮明でわかりやすく、商品の情報が満載で、魅力的に見える画像を選んでください。

■商品名 商品名はスペースを含めて200文字以下にしなければなりません。文字数の制限はすべてのカテゴリーに適用されます。カテゴリーによっては、さらに少ない文字数の制限が適用される場合があります。

■商品紹介(Aプラス)コンテンツ Amazonには、許可されない商品紹介(Aプラス)コンテンツの種類に関する条件やポリシーがあります。バージョンAはすでに承認されている必要があります。バージョンBは比較テストの設定時に送信できますが、比較テストを開始する前に、コンテンツの2つのバージョンが両方とも承認されている必要があります。商品名および画像の比較テストでは、比較テストの送信の一部としてコンテンツが検証されます。 参考:Amazon比較テストガイドライン

まとめ

今回は「比較テスト」について解説させていただきました。 最後までお付き合い頂きありがとうございます。 比較テストの効果的な運用には、 コンテンツの差異をはっきりとすること 戦略的な仮説を立てて繰り返し検証すること 期間をしっかりと設けること が大事になってきます。 Amazonで売上を伸ばすためには、質の商品ページ作りは不可欠です。

そのためには日ごろから地道な検証と改善が必要になります。 ぜひとも比較テストを上手に運用し商品ページ作りに役立ててください。 実装から日の浅い機能ですので、更新され次第、記事の内容もアップデートして参りますのでよろしくお願いいたします。

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